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鳥に生まれることができなかった人へ

知的財産法

知的財産権の中でも特許法、実用新案法、意匠法、商標法、著作権法、不正競争防止法から出題されます。あとはほとんど見たことがありません。

恐らく再頻出分野であり、出題割合をざっくり調べてみました。

年度 出題数 割合
R3 10 40%
R2 8 32%
R1 7 28%
H30 9 36%
H29 8 32%
H28 7 28%
H27 10 40%
H26 6 24%
H25 6 24%
H24 5 20%
H23 5 20%

出題数は増加傾向にありそうですね。

この記事は、筆者の試験勉強をアウトプットしたものにすぎません。筆者が法律を解説するものではなく、その正確性を保証するものでもありません。
また、法改正に対応していない可能性もあります。取り扱いには十分にご注意ください。

知的財産権全般

権利の存続期間

基本的な論点にもかからわず結構出る。サービス問題。著作権に関しては後述する。

権利 期間
特許権 出願から20年
実用新案権 出願から10年
意匠権 出願から25年
商標権 登録から10年

商標権のみ登録日からの起算になる。改正で意匠権の期間が25年となったので注意。

(H29年、H26年、H23年出題)

権利の更新と延長

特許権において5年の延長、商標権において10年の更新が規定されている(R3年、H29年、H26年出題)

権利の帰属

職務発明と職務著作における権利の帰属。結構出題されるイメージ。

種類 概要
職務発明 勤務規則等で定めれば、使用者等に特許を受ける権利が帰属
職務著作 使用者等が著作者となる

職務著作は使用者等が勝手に著作者となる。

一方職務発明の場合は、勤務規則等に定めたり契約を結んでおくことを条件に、使用者等が権利を受ける。

出願変更

特許権、実用新案権、意匠権を出願した時、一定の要件を満たせば、出願日を先の出願とした状態で他の権利の出願に変更できる。ただし、商標権はできない(R1年出題)。

過失の推定

特許法103条。

特許権、意匠権、商標権の侵害行為は過失の推定が働く(R3年度出題)

対して実用新案権は働かない。実用新案権出願における実体審査がないため。よって民法の原則に従い、実用新案権者自身が侵害者の過失を証明しなければならない。

特許権

審査請求制度

特許法第48条。

特許の審査を受けるためには、出願審査の請求を行う必要がある(H23年出題)。

出願公開制度

特許法第64条。

出願日から1年6か月経つと、公報に掲載され、公開される(H23年出題)。

特許権の実施

方法の発明については、その方法を使用する行為、また、その方法により生産したものを使用、販売、譲渡、輸出入等する行為が実施に該当する。

対して物の発明の場合、その物を生産、使用、譲渡、輸出入等する行為が実施に該当する。その物を販売する行為は実施には当たらないので注意。

R3年出題。

専用実施権

特許権者は、その特許権について専用実施権を設定することができる。専用実施権を与えられた専用実施権者は、設定で定められた範囲内において、業としてその特許発明を実施する権利を専有する。つまり、専用実施権を設定した以上、特許権者といえどもその特許発明を実施することはできなくなる。

第三者に対する実施権の設定・許諾もできなくなる。

専用実施権は複数人に設定することはできない(専用だからね)。

専用実施権の設定は特許庁への登録が必要。当事者間で勝手に設定できたり、自然に発生するものではない。(R3年度出題)

特許法 | e-Gov法令検索

通常実施権

一方、通常実施権は当事者間の契約によって発生する。登録は不要。

職務発明

特許法第35条。頻繁に出る。

会社の業務において、その職務に属する発明は職務発明となる。

職務発明は

  • 社内規定や従業員との契約により、使用者等に帰属される旨を定めること
  • 相当の利益を従業員に提供すること

を持って、権利が使用者等に帰属する。

法改正

H27年の「特許法等の一部を改正する法律」において、権利帰属に関する改正があった。具体的にどんな形で改正されたかを問う問題も出題されるので、具体的な内容を覚えておくと安心。

改正後の第35条3には、

従業者等がした職務発明については、契約、勤務規則その他の定めにおいてあらかじめ使用者等に特許を受ける権利を取得させることを定めたときは、その特許を受ける権利は、その発生した時から当該使用者等に帰属する。

とある。その発生した時からがポイント。

改正前は

従業者等は、契約、勤務規則その他の定めにより、職務発明について使用者等に特許を受ける権利若しくは特許権を承継させ、又は使用者等のため専用実施権を設定したときは、相当の対価の支払を受ける権利を有する。

という風に「承継」とされていた。結局は会社が権利を取得するのは変わらないんだけど、従業員が取得しそれを使用者等に譲り渡す形になっていた。

あと、従業員が受ける権利として「相当の対価」から「相当の利益」に変更されたが、試験では出てない気がする。

特許法改正~職務発明制度見直し | AZX Super Highway(AZXブログ)

平成16年改正前特許法35条3項に基づいて職務発明対価の支払を命じた「Felica」事件東京地裁判決について – イノベンティア

権利侵害者への対応

差止請求

参考

「物」の発明と「方法」の発明 どのような違いがあるのでしょうか? | ちたちた国際特許事務所

実用新案権

方法物質にかかる考案、は実用新案権の対象にはならない。

無審査主義を採用しているため、形式的な審査しか行われない。

実用新案技術評価の請求

実用新案権の侵害があった場合、権利者は実用新案技術評価書を提示しなければ、侵害者に差し止め請求権などの権利を行使できない。

実用新案権が消滅した後も、技術評価の請求をすることが可能。

意匠権

要件

意匠と認められるためには形状を有していることが条件である。例えばアイスクリームは時間が経てば溶けて形が崩れるが、取引時には形状を有しているため意匠と認められる場合がある。これは何度か出題されているため、今後も形を変えて出題されそう。食べ物なら飴とか、食べ物でなくても、取引時に形状を有しているがその後形状がなくなるような物を題材に出題されたら要注意。

(R3年出題)

用途と機能

意匠出願に際し、物品の用途や機能を特定する必要がある。自動車の意匠が認められたとしても、それは同じ形状のお菓子には及ばない。自動車とお菓子では、たとえ形状が同じでも、用途や機能が全く違うため。

秘密意匠制度

意匠法第14条、第20条。

普通は意匠が認められた後、意匠公報に掲載され、その意匠が公開される。意匠登録出願人は、意匠権設定の登録の日から3年以内の期間、その意匠を秘密にするように請求することができる。

R3年、H23年出題

商標権

実体審査

出願時は実体審査が行われるが、更新時には審査は行われない

立体商標

通常、商品の形状そのものは、自他識別力を欠くため商標として登録されない。ただし、以下の要件を満たせば不可能ではない(平面商標よりもだいぶ厳しい)。

  • 商品形態自体に自他商品識別力がある
  • 商品が当然に備える立体的形状のみからなる商標ではない

ホンダのスーパーカブ、アディダスのスニーカーなど

参考 :

地域団体商標

地域名のみ、商品名のみの商標は認められない(R3年出題)

地域+商品名が基本であるが、産地等を表示する際に付される文字として慣用されている文字(名産、特産等)も組み合わせることができる(R3年出題)。

商標法 第七条の二 三 地域の名称及び自己若しくはその構成員の業務に係る商品若しくは役務の普通名称又はこれらを表示するものとして慣用されている名称を普通に用いられる方法で表示する文字並びに商品の産地又は役務の提供の場所を表示する際に付される文字として慣用されている文字であつて、普通に用いられる方法で表示するもののみからなる商標

参考 : 商標法 | e-Gov法令検索

参考

地域団体商標制度|地域ブランド|北海道知的財産戦略本部

おもしろ商標をご紹介!え、アレも登録されていたの? | Toreru Media

著作権

存続期間

著作権者によって違う。

|著作権者|期間| |自然人|死後、70年| |法人|発表後、70年|

共有著作権の実施

共有著作権の場合、共有者全員の合意が必要。

全て(全てとは言ってない)みたいな感じ。

不正競争防止法

法令 内容
第2条1項1号 周知表示混同惹起行為
第2条1項2号 著名表示冒用行為
第2条1項3号 商品形態模倣行為
第2条1項4~10号 営業秘密不正取得・利用行為等

周知表示混同惹起行為

商品の容器は「商品等表示」に含まれる。(R3年出題)

著名表示冒用行為

周知表示混同惹起行為と違い、他人も商品などと混同させるかどうかは問われない(R3年出題)

営業秘密

秘密管理性、有用性、非公知性が要件。(R3年出題)

営業秘密は、技術上の情報を含む。(R3年出題)

周知性

これが認められるためには、一定の地域において需要者の間に広く認識されていることが必要。誰も知らないマイナーな物を真似されても保護されない(R1年出題)。

https://www.meti.go.jp/policy/economy/chizai/chiteki/h30jyoubunn.pdf